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最新の労働災害統計まとめ|死亡は過去最少・死傷は増加、現場が読み取るべき3つの傾向

令和6年の労働災害は死亡746人(過去最少)・死傷135,718人(4年連続増加)。令和7年確定値・令和8年上半期速報まで最新統計を整理し、「はさまれ・巻き込まれ」が減らない理由と、フォークリフト・建機現場が取るべき対策の方向性を解説します。

倉庫を背景に労働災害統計資料を確認する安全管理者のイメージ

労働災害の統計は、自社の安全対策の優先順位を決めるうえで欠かせない「共通のものさし」です。この記事では、厚生労働省が公表した令和6年(2024年)の労働災害発生状況(確定値)と、令和7年(2025年)の確定値・令和8年(2026年)上半期の速報値までの最新動向を、安全管理者の方が社内資料にそのまま使える形で整理します。

あわせて、統計から読み取れる「はさまれ・巻き込まれ」災害の傾向と、フォークリフト・建機現場で取るべき対策の方向性も解説します。

令和6年(2024年)の労働災害統計|死亡は過去最少、死傷は4年連続増加

厚生労働省が公表した令和6年の労働災害発生状況(確定値)のポイントは、「死亡災害は過去最少を更新した一方、死傷災害は4年連続で増加」という二面性です(出典:厚生労働省「令和6年 労働災害発生状況」2025年5月30日公表)。

全体の数字

  • 死亡者数:746人(前年比▲9人・過去最少を更新)
  • 休業4日以上の死傷者数:135,718人(前年比増・4年連続の増加)

業種別の死亡者数

  • 建設業:232人(前年比+4.0%・全産業で最多)
  • 製造業:142人
  • 陸上貨物運送事業:108人

事故の型別の死亡者数

  • 墜落・転落:188人
  • 交通事故(道路):123人
  • はさまれ・巻き込まれ:110人(前年比+1.9%)

死傷災害(休業4日以上)では「転倒」が36,378人と最多で、高年齢労働者の増加を背景とした行動災害の増加が続いています。製造業の「はさまれ・巻き込まれ」死傷者は4,692人(前年比▲4.4%)と減少したものの、依然として高い水準です。

令和7年(2025年)以降の動向|減少傾向は続くか

陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)がまとめた令和7年(2025年)の確定値では、次のような結果が報告されています(出典:陸上貨物運送事業労働災害防止協会)。

  • 全産業の死亡者数:700人(前年比▲6.2%・過去最少をさらに更新)
  • 建設業の死亡者数:214人
  • 陸上貨物運送事業の死亡者数:80人(前年比▲25.9%と大幅減)
  • 全産業の死傷者数:135,333人(微減)

さらに令和8年(2026年)1〜6月の速報値では、全産業の死亡者数は255人(前年同期比▲10.8%)と減少傾向が続いています。死亡災害の着実な減少の背景には、リスクアセスメントの浸透に加え、安全装置・検知技術など「人のミスを機械が補う」対策の普及があると考えられます。

第14次労働災害防止計画の目標と現在地

国の第14次労働災害防止計画(令和5〜9年度)では、2022年比で次の数値目標が掲げられています。自社の目標設定のベンチマークとして活用できます。

  • 建設業・製造業などの死亡災害を15%以上減少
  • 製造業のはさまれ・巻き込まれ死傷災害を5%以上減少
  • 陸上貨物運送事業の死傷災害を5%以上減少

死亡災害は計画を上回るペースで減少している一方、死傷災害(特に転倒などの行動災害)は増加が続いており、「重篤災害の防止」と「日常災害の抑制」の両立が各事業場の課題になっています。

統計から読み取る、フォークリフト・建機現場の対策の方向性

1. 「はさまれ・巻き込まれ」は減っていない

死亡災害全体が過去最少を更新するなかで、「はさまれ・巻き込まれ」による死亡は110人とむしろ微増しています。フォークリフト・建設機械・クレーンなど、人と機械が同じ空間で動く現場のリスクは、まだ構造的に残っているということです。

2. 事故の主因は「見えていなかった」

フォークリフトは荷役運搬機械による労災の約70%を占め、後退時・旋回時の死角に起因する接触事故が典型です。建機ではカウンターウェイトの旋回範囲や後退経路上での事故が繰り返されています。いずれも共通するのは、オペレーターから人が見えていなかったという点です。

3. 対策は「教育+レイアウト+技術」の多層防御へ

安全教育や通路分離といった従来の対策に加え、近年はAIによる人検知カメラ・警報装置で「見落とし」を機械側から補う多層防御が広がっています。国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも、AI検知を用いた人身事故対策技術が登録されており、公共工事では活用が評価対象となる場合があります。

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統計を自社の安全活動に活かすチェックポイント

  • 自社・自業種の死傷者数の推移を、安全衛生委員会で年1回以上共有している
  • 「はさまれ・巻き込まれ」「転倒」など、自社で起こりうる事故の型を特定している
  • 第14次労働災害防止計画の目標を、自社の数値目標に落とし込んでいる
  • ヒヤリハット報告を集計し、統計と突き合わせてリスクの高い場所を特定している
  • 人と機械の接触リスクに対し、検知技術など設備面の対策を検討したことがある

よくある質問

Q1. 労働災害統計はどこで確認できますか?

厚生労働省が毎年5月頃に前年の確定値を「労働災害発生状況」として公表しています。また、業種別団体(陸災防・建災防など)も業種に特化した集計を公開しています。一次情報として厚生労働省の公表資料を確認することをおすすめします。

Q2. 死亡災害が減っているのに、死傷災害が増えているのはなぜですか?

死亡につながる重篤災害は、設備対策・保護具・検知技術の普及で着実に減少しています。一方、死傷災害は転倒など加齢に関係する行動災害が増えており、労働力の高齢化が主要因とされています。性質の異なる2つの課題として、別々の対策が必要です。

Q3. 中小規模の事業場では、まず何から始めるべきですか?

①自社で起こりうる「事故の型」を統計とヒヤリハットから特定する、②リスクの高い場所(交差点・死角・混在作業エリア)を図面上で洗い出す、③運用改善(通路分離・一時停止)と設備対策(ミラー・カメラ・人検知装置)を組み合わせる——の順で進めるのが現実的です。

令和6年の労働災害は、死亡746人(過去最少)・死傷135,718人(4年連続増)。令和7年は死亡700人とさらに減少し、令和8年上半期も減少傾向が続いています。一方で「はさまれ・巻き込まれ」による死亡は110人と減っておらず、人と機械が混在する現場のリスクは残ったままです。

統計を「他人事の数字」で終わらせず、自社の事故の型の特定と、教育・レイアウト・検知技術を組み合わせた多層防御につなげることが、次の一件を防ぐ最短ルートです。

株式会社TCIは、フォークリフト専用 人検知AIカメラ「Detection AI」やNETIS登録のAIカメラ(KT-240077-A/KT-260016-A)など、「人の見落とし」を機械側から補う安全機器を自社開発しています。

統計を踏まえた自社現場のリスク整理や、機器選定のご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。